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2016年9月28日

なごやマイトーク 「新しい総合事業」、軽度介護の切り捨てにならないよう、市民の改善運動が大切に/あいち年金者組合 加藤留美子

介護保険計画見直しで、軽度の要介護者を介護保険サービスからはずすことにもつながる「地域支援総合事業」が、2017年度から全国で完全実施されます。この制度は、要支援1、2の訪問・通所の介護事業を、国から市町村に移行し、高齢者一般の介護予防を含めて、市町村に介護予防事業を管轄させるものです。

 

名古屋市は、ことし6月からこの制度にもとづく「新しい総合事業」を開始しました。

 

これまで介護保険の利用希望者は、窓口に介護認定の申請をすれば、訪問調査と医師の意見書にもとづいて認定審査会で介護度の認定を受け、介護保険のサービスが受けられました。

 

新制度では、新たに介護相談窓口が設けられ、相談によっては「チェックリスト」で身体状況の調査を受け、介護保険サービスの認定申請を勧められるか、市の「新しい総合事業」の介護サービスを受けることになります。

 

新設される相談窓口が、介護保険サービス利用抑制の水際作戦となるとの批判もありますが、いまのところは、介護認定申請をしたいとする人については、そのように扱われるとされています。

 

新事業の介護サービスは、従来の介護サービスより少ない専門職配置でよかったり、質についても、わずか3日間研修の生活支援員養成や、地域住民ボランティア参加など、緩和されたものとなっています。これにともない、介護事業者への介護報酬も、介護保険の7割と低く設定されています。報酬引き下げにともなう介護サービスの低下を補うのは、ボランティア頼みとなりかねません。

 

6月末現在、名古屋市の「新しい総合事業」は、基本チェックリストを受けた人が1,715人。チェックリストで介護予防・生活支援対象となった人へのサービス体制準備状況は、新制度の「緩和型」生活支援事業所が170事業所。住民ボランテイアによるゴミ出し、電球交換など「地域支えあい型」訪問サービスが12区で50学区。高齢者一般を対象とする「ふれあいサロン」など、一般介護予防事業の高齢者の居場所づくりは、すでに市の目標値をこえているとされています。

 

今回の新制度は、介護保険制度に対する国のいろいろな思惑から発していますが、自治体が介護事業の一端の責任を負うことになったという点では、介護事業に対する市民の要求を、自治体に反映しやすくなったともいえます。

 

今後の名古屋市の「新しい総合事業」の推移に注視するとともに、チェックリストが介護認定の抑制の水際作戦にならないこと、新事業介護サービスが際限なく低下しないこと、地域住民のボランティア活動が上からの強制にならないことなど、市民の改善運動が重要になっています。

 

あわせて「高齢者の身近な相談窓口」となっている「いきいき支援センター(地域包括支援センター)」が、現在名古屋市では1区に2~3か所しかなく、日常生活圏域設置の法の趣旨に沿って、せめて中学校区に1か所の設置を市に求めて行くことも必要です。

 

●ミニレポート 年金者組合が、介護の「新しい総合事業」学習会 自治体の意欲の大切さも実感/熱田区 奥村一平さん

 

熱田年金者組合は、このほど、区職員を招いて名古屋市の「新しい総合事業」学習会を開きました。

 

区職員からは、6月から始まった「名古屋市の新しい総合事業」の状況を報告され、熱田区が独自に取り組んでいる「みんなで伸ばそう健康寿命事業」が紹介されました。

 

この事業は、高齢者の介護予防事業の一環で、60歳以上の人に「健康チャレンジカード」を持ってもらいます。ラジオ体操や地域サロンに出かけ、健康づくりに努力しているのを点数(ポイント)化し、「ポイントをためて景品を当てよう」というものです。

 

景品には、熱田神宮前の名物の「ひつまぶし」などもあります。「参加すれば、ハンコを押してもらえる」と、評判を呼ぶのではないだろうかと思いました。

 

現在、「サロン」や「認知症カフエ」が、区内で7学区18か所となっており、成功すれば、全市にひろがるかもしれないとの話もありました。

 

「新しい総合事業・熱田区版」にみられるように、行政にもアイデア、事業実施の意欲が見られます。民間事業所やボランテイアまかせでなく、自治体が責任をもち、公的援助の充実など、改善をすすめることの重要性を感じさせてくれました。